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デザイン

Nuke によって描かれる建築物の完成像

 

 

建築ビジュアライゼーション制作における Nuke の活用事例


Nuke は、ハリウッド標準の VFX 制作に使用される業界最先端コンポジティング ツールセットとしてよく知られていますが、映画・TV 以外の業界においても美しいコンテンツの制作に広く活用されています。

Corgan MediaLab では長きにわたり、Nuke のパワフルでプロシージャルな画像処理技術と拡張性が建築ビジュアライゼーションの強化に役立てられています。 

テキサス州ダラスのダウンタウンを本拠地とする Corgan MediaLab は、80 年の歴史を持つ国際的な建築事務所 Corgan の姉妹会社です。MediaLab Corgan の建築ビジュアライゼーション事業部で、静止画レンダリングやアニメーションカメラ、フライスルー、モーショングラフィックス、映像、出版物、AR VRMR360 度映像などの没入型テクノロジーを用いて建築作品のビジュアライゼーションを作成しています。

建築プロジェクトのビジュアライゼーション制作における Nuke 製品の活用について、Corgan VFX クリエイティブディレクターを務める Ludo Michaud 氏にお話を伺いました。

建築ビジュアライゼーションパイプラインの構築

Michaud 氏は Corgan MediaLab VFX クリエイティブディレクター兼副社長として、同社の視覚効果、没入型テクノロジー、モーショングラフィックス、3D 技法の責任者を務めています。
 

エンターテイメント、コマーシャル、ゲームトレーラー制作等に携わった経歴を持つ Michaud 氏が Nuke 初めて知ったのは 2003 年頃だったといいます。「当時、チャンネルは全く新しい概念で、その表現クオリティの高さは圧倒的なものでした。Michaud 氏は言います。

5 年前に Corgan MediaLab に入社した Michaud 氏は、同社の建築ビジュアライゼーション パイプラインの成長と拡大を模索する上で、Nuke の持つ可能性にいち早く着目しました。 「建築家からの変更依頼への対応やワークフローの柔軟性、既存の VFX 制作ツールの課題点など、当時はさまざまな領域で改善が必要でした。」

Nuke を新規導入し、基幹ツールとして新たなワークフローを構築するのに絶好の機会だと思いました。静止画レンダリングであれば納品前日のデザイン変更にも対応可能ですし、静止画で使用したコンポジション スクリプトをアニメーションで再利用することもできます。NukeX CG モデルを実写プレートに合成すれば、新しいビジュアライゼーション表現が可能です。」

「以前は、最終段階でデザイン変更が生じると現場はお手上げ状態でした。半分以上の作業をやり直さなければならず、連日深夜まで残業しなければ納品に間に合わない状況に陥ってしまうのです。そうした状況にも対応が可能で、かつ高度な映像表現が実現できるシステムが必要でした。」

Nuke

 

Michaud はこうした課題の解決を図る上で最適なツールとして、その柔軟性、拡張性、使いやすさから Nuke を選びました。

制作現場はこの意思決定のメリットをすぐに実感することになります。「Nuke をプロジェクトで使用し始めてすぐに、アーティストはその必要性を理解しました。私たちのワークフローは、Revit Sketchup 3ds Max V-Ray 、そして Nuke で構成されています。」

Nuke の採用によって、今では大きな設計変更にも納品の 24 時間前まで対応することができます。」

「フォトリアルな建物の外構表現なら、半年かけて作成した建物の静止画レンダリングの3Dシーンに、アニメーションしたカメラを追加してシーケンスをレンダリングし、ショートカットの Alt+Up キーで Nuke コンプをバージョンアップするだけ、あとは細部に手直しを加えれば完成ですから、4日もあれば納品可能です。」

「複数のショットで構成されている比較的長いプロジェクトの場合は、 Nuke Studio を使用してレビューを行います。Nuke Studio はタイムラインからコンプ環境にダイレクトにアクセスしてレンダリングが行えるため、アーティストの手間が省けて非常に便利です。」

「シーケンスをいちいちインポートする必要がないので作業の効率や精度が向上し、残業なしで帰宅できるようになりました。」

建築ビジュアライゼーションにおけるVFX 制作ツールの活用

Michaud は、Nuke はハリウッド映画用のハイエンド VFX 制作ツールとしてのみならず、デザインビジュアライゼーションの分野でも活用できるはずだと考えました。「VFX 制作とデザインビジュアライゼーションには多くの共通点があります。」Michaud は言います。「Nuke はシーケンスの合成に使用されていますが、単一画像の合成にも使えるはずだと思ったのです。」

「レンダリングした静止画の多くは、フライスルーやアニメーションカメラ、トラッキングカメラ、マットペインティングなどによってアニメーション化しますが、レンダリングした静止画を使用すれば、移動するカメラから画像シーケンスをレンダリングしてコンプを更新すればいいだけです。」

「建物のモデリングを一から行う場合に比べて作業時間は 4 分の1で済みますし、逆にアニメーションから静止画を取り出して 5400x3038 で再レンダリングしなければならないような場合も、コンプは済んでいるのですべてのノードが遂行されます。」

Nuke

 

Nuke は拡張性と柔軟性に非常に優れているため、これまでにない短時間での作品制作が可能です。卓越した 3D 機能により、3D を含む合成では、マテリアルのアップデートも数回クリックするだけで行えます。まだ使い始めたばかりで、ディープコンポジティングについてはこれから掘り下げていくところですが、非常に楽しみです。」

Nuke で作成した 3D の床は見た目が素晴らしいだけでなく、クライアントとのミーティング時に、15 分程度で他のパターンに差し替えて見せるといったことも可能です。」

Nuke3D 空間にカードを生成すれば、正確なリフレクションとシャドーを作成することができます。背景プレートのペイントや人の配置などを Photoshop で行って Nuke に読み込みます。Nuke はあらゆる点で本当に素晴らしいパッケージです。」

Nuke を使用することで、プロジェクトを一から作り直さなくても、静止画像からフライスルー アニメーションまでいくつもの作業成果物を作成することができ、インタラクティブ エクスペリエンスを提供する上で必要なアセットを作ることができるのです。

クリエイティブワークをサポート

建築ビジュアライゼーションと映画・TVの両業界での経験を持つ Michaud は、「建築のビジュアライゼーションでは、映画のように建物を爆破するわけにはいきませんから・・・」と冗談を交えつつ、両者のパイプライン構築の違いについて次のように説明します。

「壁や天井、床のマテリアルを素早く変更できるように、グリーンスクリーン、トラッキング、ロト、Nuke 3D 空間を使用しています。また、360度エクスペリエンスの拡張を目指し、現在ディープコンポジティングを試行中で、5K(静止画用)/ 4K (アニメーション用)での作業効率を上げるためにBlink Scriptを検証しています。さらに、インテリアショットではコーナーピンを使用してアート作品を追加し、Nuke3D合成で正確な影とリフレクションを作成しています。」

「その他については映画やTVの映像制作とほとんど変わりがありません。MediaLab に入社前は18年以上 VFX プロダクションに勤務していましたが、大きな違いは、建築のビジュアライゼーションでは建物の屋根の上で戦うモンスターをアニメーションする必要がないことでしょうね。それに加えて、プロジェクトの要件に合わせてスクリプトのテンプレートを修正して使用しなければならないVFX 制作に対し、プロジェクト間に大きな違いがない建築ビジュアライゼーションでは、テンプレートに変更を加えずに使い回すことができるという点です。

 

Nuke

 

「ですから、Nuke の導入前には納品までに8日から10日程度かかっていたプロジェクトも、今では3日、時には同日中に納品できるようになりました。」

「最も重要な点は、Nuke によってアーティストは、従来のようにデザイン変更に翻弄されたり、柔軟性に欠けるコンプ作業に煩わされたりすることなく、本来のクリエイティブな作業に専念でき、クライアントからのどんな小さな変更依頼に対しても問題なく対応することがでできるようになったということです。」

Nuke の導入は MediaLab のパイプラインを本質的に変えたと Michaud は説明します。「以前のツールは今ではほとんど使われていません。一度 Nuke を使い始めたら、他のツールはもう使えませんよ。」

デザイン変更への対応

Nuke が制作チームにもたらした最大の変化は、納品スピード向上だといいます。「コンプの作成はすべてスクリプトを介して行います。Photoshop では設定に丸 1 日かかっていましたが、Nuke ではたったの 10 秒で完了です。」

「建築業界ではよくある設計変更が生じた際、以前は振り出しに戻って Photoshop でコンプを再構築しなければなりませんでした。今では、特別な作業を行わなくてもコンプが 3D の変更を更新してくれるので、納品の 12 時間前まで変更に対応することができるのです。」

 

Nuke

 

「最初のルック作成に以前は最長で 4 ほどかかっていましたが、今では 8時間程度で作成することができます。1分間のフォトリアルなアニメーションなら、以前なら2、3週間、今では4日あれば十分です。テクスチャやカラーなどのマテリアルのちょっとした変更も、今は5分もあれば終わりますが、従来は3Dの再レンダリングにかかる時間とは別に半日要しました。」

Nuke のおかげで、クライアントからの変更依頼に迅速かつ効率的、柔軟な対応が行えるようになり、制作期間が大幅に短縮されました。大サイズの静止画1枚を制作するのに8営業日要していたのが、今では5営業日で4枚、レビュー時間を除けば3日で制作することも可能です。」

完成像の視覚化

VR AR 、インタラクティブ エクスペリエンスが普及するなか、AEC(建築・エンジニアリング・建設)ビジュアライゼーションの世界では、今後も Nuke のようなツールによって表現されるピクセルパーフェクトなイメージへの需要が見込まれると、Michaud は考えています。「360度映像は合成ツールがないと作成することができませんから、Nuke のニーズはきわめて高いといえます。ですから、CaraVR にも大変興味を持っています。」

「ヘッドセットを装着して変更されたコンプをその場で確認できるのは素晴らしいことですが、建設現場では建物の完成形を示すものが必要とされるため、静止画レンダリングの需要がすぐになくなってしまうことはないでしょう。」

「例えば空港の拡張計画等においては、工事完成図を誰にとっても分かりやすく表現する必要があります。VR AR が普及しつつあるなか、身近な視覚的フィードバックへのニーズも確実に存在します。AR グラスやAR コンタクトレンズの恒久的な装着が可能になるまで、静止画レンダリングやアニメーションは、建築ビジュアライゼーション業界において、きわめて重要な位置を占めるでしょう。」

 

Nuke

 

Michaud は、Nuke が制作チームに与えた影響の大きさについて次のように話します。「ダラスと中国の制作チームが1か月間フル稼働で約 70の静止画、24つのアニメーション、静止画とアニメーションの合成プロジェクトを1〜2つ納品しています。Nuke なしでは実現不可能な作業量です。」

Nuke のおかげで優れたワークフローを構築し、最小限の制作体制で最大限の成果を実現することが可能になりました。素晴らしいツールを開発してくれたFoundry 社に感謝しています。」

 

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